グリース/ゴムの高熱伝導化

研究目的

商品イメージ パソコンや携帯電話等の電子機器の小型化やIC等の高密度実装化等にともない,機器の信頼性と耐久性を確保するために,電子部品から発生する熱を如何に放熱するかが大きな問題となっています.
 カーボンナノチューブは,熱的,電気的,機械的強度等の観点からこれまでにない優れて特性を持つと言われています.
 そこで研究室では,多層カーボンナノチューブの比較的特性が近いカーボンナノファイバーを用いて,伝熱特性に優れたグリースやゴムの開発を行っています.

実験装置

商品イメージ 熱伝導率測定装置 (山形大学/熊本大学)
抵抗率測定装置 (企業に測定依頼/学科内の研究室より借用)
引張試験装置 (企業に測定依頼/熊本大学)
走査型電子顕微鏡 (学内共同利用)

研究成果

商品イメージ カーボンナノファイバーをゴム(EPDM)に添加した場合,添加したカーボンナノファイバーの配向方向により熱伝導率,伸び,引張強さ等が大きく異なることが明らかとなりました.

 

EPDMにCNFを添加した場合の熱伝導率に及ぼすカーボンナノファイバーの添加量と配向性の影響
 横軸:CNFの添加量〔phr〕※1,
 縦軸:熱伝導率〔W/(m・K)〕,
図中
Horizontal:CNFは熱の流れ方向に対して垂直に配向
Vertical:CNFは熱の流れ方向に対して平行に配向

※1:phrについて ゴムの重量を100とした場合の各配合剤の重量

カーボンナノチューブ(CNT)やカーボンナノファイバー(CNF)をエチレンプロピレンゴム(EPDM)に添加させ熱伝導率の向上を目的に研究を進めていています.EPDMは,主に電線被覆,自動車用のウェザーストリップ,窓枠ゴムやコンベアベルト等に用いられています.EPDMの最高許容温度は連続使用で80℃,短時間使用で230℃と高く,合成ゴムの中でも耐熱性に優れているゴムの一つです.
 実験の結果,左図に示すように,EPDMにCNFを添加することで熱伝導率が高くなることを明らかにしました.また,CNFを熱が流れる方向に配向させることによって,熱伝導率がさらに高くなることを明らかにしました.

〔本研究は九州大学 (現 熊本大学大学院自然科学研究科) 富村寿夫教授との共同研究により行われた成果です〕